那田蜘蛛山編で、蟲柱・胡蝶しのぶから放たれた「そんなだからみんなに嫌われるんですよ」という痛烈な一言。それに対して間髪を入れず返した「俺は嫌われてない」は、作品屈指の珍場面として読者に愛され続けています。
ネット上では「強がりなのか」「それとも本気で言っているのか」と長年議論を呼びましたが、公式ファンブックやその後の描写から明らかになったのは、「本気で自覚がなかった」という衝撃の真相でした。義勇本人は周囲を見下しているつもりは毛頭なく、むしろ「自分のような未熟者が肩を並べてはいけない」という引け目から距離を置いていただけでした。しかし、説明を極端に省く悪癖のせいで、周囲からは「孤高を気取って見下している」と誤解されていたのです。
SNSやファンのコミュニティでは、この「圧倒的な強さ」と「致命的な対人コミュニケーションの不器用さ」の落差に対し、「かわいすぎる」「保護したくなる天然」といった熱烈な反応が定着しました。クールな美形剣士という枠組みを破壊し、愛すべき不完全さを備えている点こそが、義勇という人物の奥行きを決定づけています。