メディア史において、いわゆる「ポロリ事故」の受容と制作側のスタンスは時代とともに180度転換しました。1970年代から1980年代にかけての地上波ゴールデンタイムでは、『オールスター水泳大会』に代表されるプールサイドでのバラエティ企画が隆盛を極め、女性タレントやアイドルの水着ポロリ事故が半ば視聴率獲得のための「お約束」として消費されていた時代が存在しました。当時の映像は編集可能な収録形式が主流でありながら、あえてカットせずに放送コードすれすれのテロップや効果音で演出する手法が罷り通っていた背景があります。
しかし、1990年代後半から2000年代にかけてBPO(放送倫理・番組向上機構)の機能強化やコンプライアンス意識の急速な高まりに伴い、テレビ番組放送事故としての露出トラブルは「演出」から「絶対にあってはならない重大インシデント」へと定義が塗り替えられました。過激な露出を伴う企画自体が地上波から姿を消し、万が一の事態に備えた制作体制が義務付けられるようになったのです。
対照的に、2010年代以降から2026年に至る現在では、主戦場がテレビからYouTube、TikTok、Twitchなどのライブ配信事故へとシフトしました。プロの制作クルーやスタイリストを介さない個人配信者が、自宅や簡易スタジオからノーカット・リアルタイムで世界中に映像を発信することで、意図しない着衣の乱れやカメラ角度のミスによる露出が瞬時に世界中へ記録・拡散される新たな問題が生じています。