2006年に遠くカフカス地方のジョージアから来日し、名門・春日野部屋の門を叩いた栃ノ心剛。日本語も通じず、ちゃんこ鍋の味にも慣れない異国での孤独なスタートだった。過酷な稽古と度重なる大怪我。前十字靭帯断裂という力士生命の危機から大関へと駆け上がった不屈のドラマの裏には、常に日本という国への深い愛情があった。
激しい大相撲の世界で身を削り続けた彼にとって、日本は単なる仕事場ではなく第二の故郷となっていた。異国の地で築き上げた信頼関係の集大成が、現在の妻との出会いであり、日本という地にしっかりと根を下ろす決意へとつながっていったのだ。