モメンタムファクトリーOriiが世界を魅了する理由と評判の真実

モメンタムファクトリーOriiが世界を魅了する理由と評判の真実

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高岡銅器の歴史は、加賀藩主の前田利長が城下町高岡を開町した慶長14年(1609年)に始まります。仏具や梵鐘、銅像などの鋳造技術とともに発展したのが「伝統着色技法」です。これは塗料を塗るのではなく、銅や真鍮に大根おろし、米糠、日本酒、食酢、硫黄といった自然由来の物質を調合した液を塗り重ね、火で炙ることで金属の表面を人為的に腐食・酸化させて発色させる高度な化学反応技術でした。

長年、この技法は数ミリ以上の厚みを持つ重量級の鋳物でしか施せないと信じられてきました。火で加熱する工程で薄い金属板は熱変形を起こし、歪んでしまうからです。その常識を打ち破ったのが、折井宏司氏でした。気の遠くなるような試行錯誤の末、わずか0.5mm〜1mmの極薄銅板・真鍮板への着色定着技術を確立。これにより、従来の重厚な仏具や置物にとどまらず、壁面パネルやインテリア雑貨、家具の扉面材など、現代の生活空間へシームレスに組み込める道が一気に開かれました。

世界中のクリエイターがモメンタムファクトリーOriiに注目する最大の理由は、「工業製品のようなフラットな薄板でありながら、手仕事の有機的なムラと深みを持つ」という二面性にあります。均一で無機質な新建材に囲まれた現代建築において、Oriiの生み出す金属肌は、光の角度や時間帯によって息づくような陰影を放ちます。大量生産では決して再現できない「偶然と職人技の結晶」が、グローバルなラグジュアリー市場の感性に突き刺さっているのです。

橋本 菜々子
著者

橋本 菜々子

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。