ドジャースによる後払い契約の乱用に対しては、他球団のオーナー陣や一部メディアから「競争の公平性を損なう抜け穴(ループホール)ではないか」との批判が絶えない。しかし、労働協約(CBA)のルール上、後払い額に制限は設けられておらず、MLB選手会も選手の契約自由と現在価値の最大化を守る立場からこの手法を完全に支持している。
この動きはプロスポーツビジネス全体に地殻変動を起こした。資金力に劣るスモールマーケットの球団は選手育成とドラフト戦略に活路を見出す一方、ドジャースのようなメガフランチャイズは、世界的な放映権収入やスポンサーシップを背景に、将来のキャッシュフローを担保にした積極投資を加速させている。金融リテラシーと圧倒的な資本力が結びついたとき、サラリーキャップが存在しないメジャーリーグベースボールにおいてどのような格差が生まれるのか。ドジャースの財務戦略は、次期労使協定改定に向けた最大の論争点となっている。