しまなみ海道からさらに船を乗り継ぐか、あるいは橋を渡って辿り着く上島町。ここには、都会のような派手なアトラクションは何もない。しかし、静かな波の音と、柑橘類の甘い香りが漂うこの島が、今や食通たちの聖地となっている。その中心にいるのが、この小さなベーグル店だ。
「ただのブームだと思っていました」と語るのは、東京から移住してきた30代の女性だ。「でも、一口食べた瞬間に、島全体の自然が口の中に広がるような感覚を覚えたんです。それ以来、毎週のように通っています」。彼女のように、この店の味に魅了され、島に移住を決める若者も少なくないという。