伊達公子さんを語る上で欠かせないのが、前夫であるドイツ人レーシングドライバー、ミハエル・クルム氏との関係です。ふたりは2001年に結婚し、15年にわたり互いのプロ生活を支え合いましたが、2016年、伊達さんが45歳の時に発展的離婚を発表しました。
ふたりの間に子供はいません。離婚の真相について当時語られたのは、「不仲による決裂ではなく、お互いの人生の進路を見つめ直した結果の友好的な解消」でした。アスリート同士として互いの情熱を尊重しすぎたゆえに生じた生活リズムのズレを、無理に埋めるのではなく、前向きに手放す選択をしたのです。
特筆すべきは、離婚後もふたりの友情とリスペクトが一切途切れなかった点です。2026年に公開された特別手記の中で伊達さんは、元夫であるクルム氏から新たな再婚の報告を受けた際、「これほど涙が出るのかと思うほど、心の底から嬉し涙が溢れ出た」と告白しています。かつての夫婦関係を超え、一人の人間として幸福を祈り合える関係性は、まさに現代における新しい家族の成熟モデルと言えます。