国全体が巨大な屋根のない美術館と称されるこの国において、ユネスコ世界文化遺産に登録された歴史的都市群の存在感は圧倒的だ。しかし、単に過去の遺物を固定化して保存するだけでは、現代都市としての機能を維持することはできない。古い街並みの美しさを損なうことなく、いかに保全と人々の暮らしを両立させるかという課題に対し、現場では先進的な試みが続けられている。
歴史的建造物の改修においては、何世紀も前の建築技法を忠実に継承しつつ、環境負荷を抑えた持続可能な素材や最新技術が取り入れられている。伝統の保護と現代の生活様式が奇跡的なバランスで調和する様は、世界中の文化遺産関係者からも熱い視線を注がれている。