出崎統監督が手掛けたテレビアニメ『あしたのジョー2』(1981年完結)の最終話「そして、あしたのジョーは…」でも、原作のラストシーンが見事に映像化されましたが、媒体の特性に応じた独自の演出が施されています。
アニメ版の結末における最大の特徴は、出崎監督の代名詞である「止め絵(ハーモニー処理)」の多用です。ジョーが微笑みながらコーナーで静止するカットは、セピア調の劇画タッチで固定され、周囲の歓声がフェードアウトしていく静寂の演出が取られました。
アニメ版では、ジョーの生死について直接的な言及を避けつつも、主題歌や劇伴音楽の哀愁を重ねることで、原作以上に「伝説の昇天」を感じさせる荘厳なトーンへと昇華されています。一方で、エピローグとして泪橋の風景やドヤ街の人々の日常が描かれ、ジョーが駆け抜けた時代の終わりと未来への息吹を対比させる構成となりました。