彼らがレパートリーの中心に据えるのは、戦前から戦後にかけて庶民に愛された昭和歌謡や流行歌だ。古賀政男、服部良一らが手掛け、日本コロムビアをはじめとする名門レーベルが世に送り出した黄金期の楽曲群は、今なお色褪せない強度を誇る。
しかし、単に当時のレコードを模倣しているわけではない。楽譜の行間にある時代の空気感、生活者の哀歓、そして明日への祈りを丁寧に汲み取り、現代の空気のなかで再構築しているのだ。古臭いと切り捨てられがちだった名曲たちは、彼らの手にかかることで、驚くほどモダンで瑞々しい響きを獲得する。