世界王者の豆香洞珈琲はなぜ絶賛される?評判の真相とおすすめ豆を検証

世界王者の豆香洞珈琲はなぜ絶賛される?評判の真相とおすすめ豆を検証

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豆香洞珈琲の骨格を理解するうえで、オーナーロースターである後藤直紀氏の軌跡を見逃すことはできません。後藤氏は大学卒業後、一般企業に勤務するサラリーマンでした。しかし、コーヒーの持つ奥深い魅力とものづくりの熱量に惹かれ、20代半ばで脱サラを決意。日本の自家焙煎コーヒー界の草分けであり、「現代の名工」にも選ばれた田口護氏が主宰する東京・南千住の名店「カフェ・バッハ」の門を叩きました。

カフェ・バッハでの修業は、技術論以前に「豆を見る眼」と「徹底的な衛生・品質管理」を叩き込まれる過酷な日々でした。田口護氏が体系化したバッハ・メソッドの根幹は、欠点豆の徹底的なハンドピック(手作業による選別)と、生豆の水分量・外気温・湿度に合わせた論理的な熱量コントロールにあります。後藤氏はこの教えを愚直に身体へ刻み込み、3年間みっちりと基礎を固めた後、2008年に自身の故郷である福岡県大野城市に豆香洞珈琲を開業しました。

転機が訪れたのは2013年。日本代表として出場した第1回ワールド・コーヒー・ロースティング・チャンピオンシップにおいて、与えられた生豆のポテンシャルを極限まで引き出す焙煎プロファイルを構築し、審査員全員を唸らせて見事に初代世界チャンピオンの座を射止めました。派手な演出に頼らず、豆の芯まで均一に熱を伝え、渋みやエグみを一切残さない後藤氏の技術は、まさに師である田口護氏の系譜を世界の頂点で結実させた瞬間でした。この確固たるバックボーンこそが、世界焙煎チャンピオンの味を単なる一過性のブームで終わらせない最大の根拠です。

鈴木 陽菜
著者

鈴木 陽菜

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