大胆なビジュアル変化やラブシーンが脚光を浴びる一方で、彼女の核にある「無防備な生活感」を芸術の域にまで高めたのが、Netflixシリーズ『舞妓さんちのまかないさん』での名演だ。是枝裕和監督が総合演出を手がけた同作において、彼女は京都の花街でまかない料理を作る少女・キヨを演じた。過剰なメイクや着飾った衣装を削ぎ落とし、台所で一心に茄子を刻み、鍋を見つめる姿。そこには、作為的な色気とは対極にある、人間そのものの生々しい生命力が宿っていた。
ソニー・ミュージックアーティスツへの移籍以降、彼女のキャリア選択には確固たる意志が感じられる。商業的な記号としての「若手女優」に甘んじることなく、世界基準のクリエイターと組み、自身の身体性を深く掘り下げていく。京都の台所で見せた素顔の静けさと、都会の民放ドラマで見せる華やかさ。この振れ幅の広さこそが、彼女を同世代の女優たちから際立たせる最大の強みとなっている。