「奈良県生駒郡三郷町」が誇る夏のランドマークだった三郷町立ウォーターパークが営業終了へと舵を切った最大の要因は、施設躯体およびろ過・配管設備の深刻な老朽化です。開業から四半世紀以上が経過し、目に見えるプールサイドのひび割れだけでなく、地下に張り巡らされた送排水管の腐食やポンプ設備の機能不全が頻発していました。
自治体の公式発表資料および町議会議事録によると、安全基準を満たした状態で運営を継続するためには、概算で数億円から十数億円にのぼる大規模改修投資が必要不可欠と試算されていました。三郷町の一般会計規模において、わずか2か月足らずの夏季限定レジャー施設にこれほどの巨額公金を投じることは、財政規律の観点から極めて困難な決断を迫られる事態だったといえます。
さらに追い打ちをかけたのが、近年の酷暑に伴う熱中症リスクの急増や、2020年代初頭の感染症拡大による長期休園です。営業休止が長期化する中で機械の劣化が一気に加速し、「一時的な修繕でしのぐ」という選択肢そのものが完全に消滅しました。行政としては、少子高齢化が進む地域インフラ全体の維持を優先せざるを得ず、断腸の思いで廃止条例の可決へと踏み切ったのが閉鎖理由の全貌です。