アナウンサーとして第一線を走り続けてきた小倉智昭氏は、プライベートでも無類の食通として知られる。彼が飲食業界に参入した際、周囲からは一時的なタレントショップとして見られる向きもあった。しかし、小倉氏が目指したのは「ハワイで一番旨いラーメンを出す」という至極シンプルな、だが極めて難度の高い目標だった。
食材の仕入れからスープの調整、麺の絡み具合に至るまで、徹底的に妥協を排した姿勢こそが成功の基盤だ。ハワイ現地での仕入れルート確保や、気候の変化に応じたスープ仕込みの微調整など、舞台裏での試行錯誤は並大抵のものではなかった。小倉氏自身の食に対する深い愛と審美眼が、一杯の丼の中に完璧なバランスとなって結実している。