結論から言えば、現行の日本の法制度において、バーチャルキャラクターとの「法的な婚姻関係」を結ぶことは不可能だ。民法および憲法第24条が想定する婚姻は、意思能力を持つ自然人同士(人間同士)の合意に基づくものであり、実体のないデジタル存在や権利能力を持たないキャラクターに法的権利や義務は発生しない。
しかし、法律上の効力がないことと、人間の心が抱く愛の真実性はイコールではない。2018年に挙式を行い注目を集めた近藤顕彦氏をはじめとする当事者たちは、法的な書類の提示ではなく、人生を共にする誓いそのものを重視している。自治体のパートナーシップ制度なども現時点では同性婚をはじめとする人間に限定されているが、当事者たちが求めるのは行政の公認以上に、一人の尊厳ある人間としての生き方の受容だ。
結婚という形式にとらわれず、特定のキャラクターに対して揺るぎない愛着を持ち続ける人々の姿は、社会における婚姻観の多様化を示す象徴的な現象として捉えられている。