彼の真骨頂は、特定ジャンルにとらわれない柔軟な制作スタイルにある。観客の心理を巧みに操るサスペンス・スリラー作品では、緊張感が途切れないカット割りと静寂の使い方で国内外の映画賞を席巻。恐怖と快感が同居するサスペンスの構造を徹底的に理論化して制作に落とし込んでいる。
一方で、社会の陰影や人間の業を冷徹な視線で切り取るドキュメンタリー映画への造詣も深い。フィクションで培った構成力とノンフィクションの持つ圧倒的なリアルを融合させ、ドキュメンタリーの概念をアップデートし続けている。この相反する二つの領域を自由に行き来する振り幅こそが、彼を唯一無二のプロデューサーたらしめている要因だ。