野菜売り場で見かける「普通の生姜」は、専門的には「根生姜(ひね生姜・古生姜)」と呼ばれます。植物学的にはどちらもまったく同じ「ショウガ科ショウガ属」の多年草ですが、土の中で育つプロセスと収穫後の流通工程に決定的な分岐点があります。
生姜の栽培では、春先に「種生姜(親生姜)」を土に植え付けます。その種生姜の上に新しく肥大化した新しい塊茎が成長し、これが「新生姜」となります。流通における分類は大きく分けて次の2つのパターンが存在します。
- 初夏に出荷されるハウス栽培の新生姜:5月〜8月頃に早掘りされ、茎の根元が鮮やかな紅色を帯びた、極めてみずみずしい状態のもの。
- 秋に収穫される露地栽培の新生姜:9月〜11月頃の本来の収穫期に掘り出され、そのまま市場へ出荷されるフレッシュなもの。
- 通年出回る普通の生姜(ひね生姜):秋に収穫した生姜を専用の貯蔵庫(温度約15℃・湿度90%以上)で2〜3ヶ月以上寝かせて熟成させたもの。表皮が繊維質で固くなり、黄金色に変化して辛味が凝縮します。
市場に出回る普通の生姜は、収穫後の熟成によって水分が抜け、皮が厚くなり、風味と辛味が極限まで高められた状態です。これに対して新生姜は、皮が薄く水分含有量が極めて高い「採れたての生姜」そのものを指します。