Q1:「あなたを殺していいですか」という歌詞は、本気で殺すつもりだったのですか?
A1:文字通りの物理的な殺人予告というよりも、「他人に奪われる現実に耐えるくらいなら、いっそ二人で死んで永遠に結ばれたい」という情死(心中)の覚悟を表現したものです。相手を激しく愛するあまり、生き別れることへの究極の拒絶反応が「殺害」という極限の言葉となって噴出しています。
Q2:歌詞に出てくる「くちびる噛めば 零れる蜜の吸い口」などは何を意味していますか?
A2:露骨な単語を使わずに、男女の濃密な肉体関係や肌の触れ合いを極めて高い文学的技巧で描写しています。昼間の世界では許されない二人が、天城の宿や薄暗い山中で肌を重ね合わせる濃厚な官能(エロス)を暗示しており、この濃密さがあるからこそサビの殺意がいっそう真実味を帯びてきます。
Q3:なぜ舞台は「天城峠」でなければならなかったのですか?
A3:伊豆半島を南北に分断する天城峠は、かつて交通の難所として知られ、「越えること」自体が命懸けの覚悟を必要とする場所でした。さらに深い樹海、浄蓮の滝の冷涼な激流、薄暗い旧トンネルといった地理的特徴が、世間を捨てて逢瀬を重ねる男女の逃避行や閉塞感、そして引き返せない心理的境界線を演出する舞台として完璧だったためです。