終章において、読者はこれまで読んできた第1章から第3章の舞台である「蝦蟆野」という土地そのものに隠された、巨大な因果の環を目撃することになります。
各章で散りばめられていた断片的な情報――宗教団体の拠点、弓投げの崖、廃屋、そして登場人物たちの血縁や人間関係――が一本の線でつながったとき、判明するのは「第1章の少年・白が辿り着いてしまった最終的な復讐劇」です。
終章の最後に掲載された写真。そこに写る海の風景と波打ち際の違和感を読み解いた読者は、本文では一切語られていない「白が何を成し遂げたのか」「誰が海に沈んだのか」という凄惨な真相に自力で到達します。作中で「正義」や「救済」に見えていた行動が、すべて最悪の結末へと向かう不可逆なドミノ倒しであったという事実は、読後感に強烈な爪痕を残します。