鳥山イズムを継承し、現代の出版業界を牽引し続ける尾田栄一郎の『ONE PIECE』においても、この演出は極めて重要な場面で効果的に用いられている。ルフィをはじめとするキャラクターたちが繰り出す全身全霊の打撃は、単なる肉体言語を超えた思想のぶつかり合いだ。
集英社の少年誌が長年培ってきた「努力・勝利・友情」の構造の中で、決定的な一撃はストーリーのクライマックスを告げる合図となる。敵役の腹に深く打ち込まれる拳は、長きにわたる抑圧からの解放を意味し、読者に爆発的な達成感をもたらす。少年漫画の歴史の中で脈々と受け継がれてきたこの構図は、時代が変わっても色あせることのない王道のカタルシスを提供し続けている。