記憶を巻き戻せば、ブランドの歴史的転換点には常にメガアーティストの歌声があった。2000年代中盤に展開された「FREEDOM-PROJECT」は、大友克洋が手掛ける圧倒的なSF世界観と宇多田ヒカルの「This Is Love」「Kiss & Cry」が融合し、単なるコマーシャルの域を超えたアート作品として社会現象を巻き起こした。
さらに桑田佳祐による数々の名曲提供も見逃せない。「波乗りジョニー」をはじめとする力強くも叙情的なナンバーは、カップヌードルが持つ大衆性とエモーショナルな熱量を極限まで引き上げた。激しい競争が続く即席麺市場において、大物アーティストの楽曲を大胆に組み込む手法は、ブランドの存在感を唯一無二のものへと押し上げたのである。