ネット上のコミュニティやSNS上では、「水道代を浮かせるために昨晩のお湯をそのまま残し、翌日水から追い焚きしている」という声を頻繁に見かけます。しかし、現場の設備診断士やガス事業者の声を聞くと、この運用には大きな落とし穴が存在します。
水道代は200Lあたり約40円〜50円程度です。前述の通り、水から追い焚きをすると熱効率の低下により、余計なガス代が20円〜40円発生します。つまり、水道代を節約したつもりでも、ガス代の増加分で相殺されてしまい、手間の割に家計へのプラス効果はほとんどありません。
また、お風呂を沸かす時間についても給湯器の「号数」による違いを意識していない家庭が多く見られます。16号・20号・24号という給湯能力の違いによって、お湯張りの完了スピードは大きく変わります。冬場に水温が5℃近くまで下がる地域では、16号給湯器でお湯張りをすると25分以上かかるケースがあり、その間に放熱が進んで無駄なエネルギーを消費してしまいます。
お風呂の自動運転の仕組みにも注意が必要です。多くの給湯器リモコンにある「自動」ボタンは、設定した湯量までお湯を張った後、設定温度を保つために30分〜数時間ごとに自動で追い焚き検知を繰り返すプログラムになっています。家族の入浴間隔が1〜2時間空く家庭では、誰も入っていない間にも無駄な自動追い焚きが作動し、ガスを浪費している実態が浮き彫りになっています。