彼女の歩みを語る上で外せない原点が、2004年の映画『そして、ひと粒のひかり(原題:Maria Full of Grace)』です。演技未経験に近い状態でオーディションを突破した彼女は、生活苦から体内に薬物を隠して運ぶ「運び屋(ミュール)」となったコロンビアの少女マリアを、圧倒的なリアリズムと気品を込めて演じ切りました。
このデビュー作により、第54回ベルリン国際映画祭で銀熊賞(最優秀女優賞)を受賞。さらに第77回アカデミー賞において、コロンビア出身女優として史上初となるアカデミー賞主演女優賞ノミネートという映画史に残る大快挙を成し遂げました。当時のインタビューで彼女は「自分自身ではなく、過酷な現実に生きる同胞たちの声を世界に届ける責任があった」と語っており、その真摯な眼差しは今も彼女の演技の根底に息づいています。