日本のヘアトレンドを牽引してきたBEAUTRIUMの川畑タケル氏が提唱した「スライドカット」の思想は、今なお大人のヘアスタイル設計の根底に息づいている。髪の重なりを面ではなく空間として捉え、毛束を間引くように彫刻していくアプローチだ。
かつてのレイヤースタイルといえば、毛先がスカスカになりパサつきが目立つという弱点があった。しかし現代の再定義されたレイヤーは、ベースの厚みを保ちながら必要な箇所にだけ浮遊感を与える。乾かすだけで自然な束感が生まれ、まるでサロン帰りの質感が指先ひとつで再現される仕掛けだ。