『ピングー』に登場する主要キャラクターを振り返ると、そのほとんどが温厚でユーモラスな性格をしています。
- ピングー:好奇心旺盛でちょっぴりやんちゃな主人公。
- ピンガ:甘えん坊で愛らしい妹。
- パパ&ママ:厳しくも温かく子どもたちを見守る両親。
- ロビ:魚を捕まえるのが得意な心優しいアザラシの親友。
- ピンゴ/ロブ:ピングーの学校の友達。
このように牧歌的なキャラクターで占められた世界において、あの「巨大トド」は明確な悪意や異形性を持った唯一無二の存在です。原作者オットマー・グットマンが手がけた初期シリーズでは、子どもが心の中に抱く「暗闇への恐怖」「おねしょへの羞恥心」「親から離れたときの孤独」といった心理的影(シャドウ)が、粘土の変形表現を活かして前衛的に描かれていました。巨大トドはまさに、幼少期の不安そのものが具現化した象徴だったのです。