なぜ植物の「花粉」に対するアレルギーが、畑で育つ「トマト」への反応へと繋がるのか。その核心にあるのが「交差反応性(クロス・リアクティビティ)」という現象だ。
私たちの体内にあるIgE抗体は、スギ花粉の主要成分であるスギ花粉抗原(Cry j 1など)を記憶し、それが侵入すると過剰に反応して排除しようとする。ところが、トマトアレルゲン(Sola l 4などのPR-10ファミリーやプロフィリン関連タンパク)の分子構造が、スギやヒノキ、あるいはシラカンバ等の花粉抗原と酷似している場合がある。抗体がその形状の類似性に惑わされ、トマトを「スギ花粉が侵入してきた」と誤認して攻撃を仕掛けてしまうわけだ。
国際医学データベースのPubMedや国内の学術情報基盤J-STAGEに蓄積された最新の研究論文でも、スギ花粉症患者におけるトマト摂取時の陽性率や交差反応の分子機構が詳細に報告されている。花粉飛散量のピーク時期には免疫システム全体が興奮状態にあるため、普段よりも交差反応が鋭敏に出現しやすいことが明らかになっている。