近年は矯正治療を選択するタレントが主流となっているものの、あえて二重歯列や叢生を治療せず、そのまま残している芸能人も存在します。そこには芸能界特有の事情と、日本独自の文化的な背景が絡み合っています。
芸能関係者への取材や各種インタビューから浮かび上がる二重歯列を治さない主な理由は以下の通りです。
- 唯一無二のキャラクター性の維持:完璧に整った歯並びよりも、少しの「崩れ」があるほうが視聴者の記憶に残りやすく、親しみやすさを生むというブランディング上の判断。
- 多忙なスケジュールと治療期間のハードル:一般的な全顎矯正には2年〜3年の期間を要し、定期的な通院や器具の調整が必要となるため、連続ドラマやツアーを抱える人気タレントには負担が大きい。
- 発音・滑舌への影響を回避:特にアナウンサーや声優、舞台俳優の場合、矯正装置の装着や抜歯による口内空間の変化が発声に影響を与えるリスクを懸念するケースがある。
- 顔貌の変化への不安:小臼歯を抜歯して歯列を大きく下げると、口元の突出感が引っ込む一方で「老け見え」したり、ほうれい線が目立つリスクを気にするタレントも少なくない。
しかし、2020年代半ば以降のトレンドとしては、4K/8K放送の普及や海外配信ドラマへの出演機会増加に伴い、「グローバルスタンダードの清潔感」を求めて治療を決断するケースが確実に優勢となっています。