谷根千とは、東京都台東区の「谷中(やなか)」、文京区の「根津(ねづ)」、そして「千駄木(せんだぎ)」の頭文字を合わせた地域名称です。行政上の正式な地名ではなく、昭和後期の地域雑誌『谷中・根津・千駄木』が創刊されたことをきっかけに広く定着した谷根千の由来と歴史を持っています。
このエリア最大の特色は、江戸から昭和初期にかけての建造物や街並みが色濃く残っている点にあります。都内の多くの地域が近代化や再開発で姿を変えるなか、谷根千周辺は大規模な災害や戦災の直接的な被害を免れたため、寺社町としての落ち着きや路地裏の長屋文化がそのまま受け継がれました。
森鴎外や夏目漱石をはじめとする文豪や芸術家たちが居を構えた街としても知られ、文学と芸術の香りが漂う独特の空気感こそが、いまなお人々を惹きつけてやまない理由です。