インターネット上の掲示板やSNSでは、時折この楽曲をいわゆる「トンチキソング」や「ネタ曲」として分類する声が見られます。自分の名前を連呼させるコールや、巨大キャンディを持った振り付けのインパクトがあまりに強烈なため、ライト層にはコミカルな側面が先行して伝わってしまった経緯があります。
しかし、これは明確な誤解です。音楽理論の観点から本作を分析すると、極めて緻密なポップス設計がなされていることが分かります。
Samuel Waermo氏によるトラックは、歪みを抑えたタイトなベースラインと、洗練されたブラスセクション、そして跳躍の多いドラマティックなサビのメロディラインで構成されています。BPM(テンポ)設定も、人間が最も自然に高揚感を感じやすいダンスビートに設定されており、耳馴染みの良さは洋楽のメインストリームポップと比べても遜色がありません。
中島健人自身、当時のインタビューで「アイドルであることの誇りを、妥協のないクオリティで提示したかった」と述懐しています。大衆が求める「わかりやすいポップネス」を全開にしながら、中身は極めてストイックな本格派サウンドで構築されている――この二重構造こそが、10年以上経っても消費され尽くさない本質的な理由です。