「子供の病気なのに、なぜ大人の方が重症化するのか」という疑問に対し、手足口病で大人が重症化する理由には、大人の免疫応答の強さが深く関わっています。大人の成熟した免疫システムがウイルスを排除しようと過剰に反応(サイトカインストーム類似の局所炎症反応)を起こすことで、より強い炎症や高熱、激しい痛みとして表面化します。
特に患者を苦しめるのが、足の裏や指先に密集する水疱です。皮膚の奥深くに炎症が及ぶため、神経を刺激し、「画鋲の上を歩いているようだ」と表現されるほどの激痛が走ります。歩行困難に陥るだけでなく、靴下や靴の圧迫すら耐えられない状態になることも少なくありません。
さらに完治後、1〜2ヶ月が経過してから突如「爪が根元から浮いて剥がれる」という現象に直面し、驚く方が後を絶ちません。大人の手足口病で爪が剥がれる原因は、爪甲脱落症(そうこうだつらくしょう)と呼ばれる現象です。水疱の強い炎症によって爪を作る根元の組織(爪母)の働きが一時的にストップし、その後新しい爪が伸びてくる過程で古い爪が押し出されて剥がれ落ちます。一時的な症状であり、多くは自然に健康な爪へと生え変わりますが、無理に剥がさず保護テープなどで固定することが大切です。