お台場の境界線には、知る人ぞ知る特異な構造がいくつも残されています。その代表格が「郵便番号のミステリー」です。
通常、東京都の郵便番号上3桁は区ごとに大枠が割り振られています。千代田区なら「100〜102」、港区なら「105〜108」、品川区なら「140〜142」といった形式です。ところが、港区台場(135-0091)と品川区東八潮(135-0092)は、港区や品川区でありながら江東区の配分枠である「135」番台を使用しています。
これは埋立地への集配物流ルートに理由があります。臨海副都心への郵便物配達は、位置関係や道路網の効率性から江東区新木場にある深川郵便局が一括して管轄しているためです。そのため、手紙や荷物を送る際に「港区台場なのに郵便番号検索で江東区と混同してエラーになる」といった現場トラブルがネットの質問掲示板などで今なお報告されています。
また、所轄警察署についてもかつては区ごとに警察署が異なるという複雑な状態が続いていましたが、2008年に警視庁東京湾岸警察署(江東区青海2丁目)が新設され、臨海副都心全域の治安維持を一元管理する体制へと進化を遂げました。境界線が引かれたあとも、都市インフラの実務現場では区境を越えた再編が重ねられています。