イップスになりやすい人の特徴とは?真面目な努力家が陥る原因と克服法

イップスになりやすい人の特徴とは?真面目な努力家が陥る原因と克服法

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イップスを巡る議論の中で、最も危険かつ放置されがちな盲点が「局所性ジストニア(フォーカル・ジストニア)」との混同です。現場の指導者がすべてを「メンタルの弱さ」で片付けてしまうことで、取り返しのつかない神経障害を見逃してしまう悲劇が後を絶ちません。

局所性ジストニアとは、脳の運動制御を司る神経回路に器質的な異常が生じ、特定の動作をしようとしたときだけ無意識に筋肉の異常収縮や硬直、指の巻き込みが起こる神経内科的疾患です。長時間の極端な反復トレーニングによって、脳の体性感覚野において「人差し指」と「中指」の担当領域の境界線がぼやけ、癒着してしまうことなどが原因と解明されています。

鑑別ポイント心因性イップス(精神的・機能的)局所性ジストニア(神経疾患)発症の状況依存性公式戦やプレッシャー下で悪化し、リラックスした自主練では投げられることが多い一人で誰も見ていない部屋でやっても同じ症状が出る(プレッシャーの有無に関係しない)筋肉の挙動全体のぎこちなさ、腕が振れない、引っかかる感覚指が内側に勝手に巻き込まれる、手が不随意に反り返るなど異常な不随意運動第一選択となる受診科心療内科、精神科、スポーツメンタル外来神経内科、脳神経外科(ジストニア専門外来)主なアプローチ認知行動療法、外的フォーカス訓練、環境調整ボツリヌス毒素療法(ボトックス注射)、投薬、定位脳手術(凝固術)

「自宅の部屋で一人で壁当てをしていても手が固まる」「リラックスしていても指が勝手に曲がって伸びない」という場合は、気合やメンタルトレーニングで解決できる領域を越えています。一刻も早くジストニアの診療実績が豊富な神経内科を受診することが、選手生命を守る防波堤となります。

中村 さくら
著者

中村 さくら

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。