SNS(Xや掲示板)や個人投資家のコミュニティを深掘り取材すると、市場の表面的な株価急騰とは裏腹に、極めて苛烈な現場の実態が見えてきます。
「現物ビットコインは怖くて買えないが、東証上場株なら証券口座で信用取引ができる」という理由から参入した30代の個人投資家は、次のように語ります。「メタプラネットなどの急騰銘柄に信用全力で飛びついたものの、夜間の海外市場でビットコインが急落した翌朝、東証の寄り付きでストップ安気配になり、指値も通らずに一瞬で追証(追加証拠金)寸前まで追い込まれた」。
現場のリアルな証言が示す通り、ビットコインは24時間365日取引され続けているのに対し、東京証券取引所は平日の日中しか開いていません。この「取引時間のズレ」こそが、個人投資家が最も足元をすくわれやすいトラップです。夜間や休日にビットコイン価格が暴落した場合、株式保有者は取引開始まで一切の損切り注文を執行できず、翌朝の寄り付きで巨額のギャップダウン(窓開け急落)に直面します。
また、ネット掲示板やSNS上では「保有ビットコインが増えているのだから株価は上がるはずだ」という楽観論が蔓延しがちですが、機関投資家筋の見方ははるかに冷徹です。ある国内ヘッジファンドの運用担当者は「保有暗号資産の価値に対して株価が3倍、4倍に買われている銘柄は、数学的にいずれプレミアムの巻き戻しが起きる。個人投資家の買い煽りがピークに達したタイミングで空売りを仕掛けるのが定石」と明かします。熱狂の裏側では、個人とプロの知識格差を利用した激しいマネーゲームが繰り広げられています。