超加工食品の健康被害をめぐり、インターネット上ではいくつかの極端な言説や誤解が定着しています。最も多いのが「無添加と表示されていれば、どんな加工食品でも安全である」という思い込みです。
食品パッケージに「保存料・着色料不使用」と書かれていても、原材料が精製された小麦粉、異性化液糖、植物性硬化油で固められた製品であれば、紛れもなくNOVA分類グループ4の超加工食品です。問題の本質は個々の添加物の毒性だけではなく、「自然な食物構造が完全に失われ、精製された糖・油・塩が異常な高密度で固められている」という食品そのものの組成にあります。添加物フリーの高級クッキーであっても、超加工食品としての生体負荷はほとんど変わりません。
もう一つの危険な罠が、「一切の超加工食品を口にしてはならない」という極端な完全排除志向です。現代の日本社会において、スーパーや外食チェーンから超加工食品を100%遮断して生活することは極めて困難です。過度な恐怖心から食べるものがなくなり、栄養失調や「オルトレキシア(健康的食事に異常に執着する摂食障害)」に陥るケースも医療現場から報告されています。
問われているのは「ゼロか百か」の極論ではなく、日常の食事における「摂取割合のコントロール」です。週に1度の嗜好品として楽しむ分には身体の解毒・修復機能でカバーできますが、毎日の3食すべてを超加工食品に依存する生活こそが、取り返しのつかない病理を引き起こす境界線となります。