ポータルサイトの募集図面で混同されがちなのが、「ペット可(飼育可能)」と「ペット相談可」の文言です。この2つには不動産実務上、明確な隔たりが存在します。
「ペット可」と明記されている物件は、建物全体またはその住戸で飼育が規約上公認されており、飼育細則が整っています。一方、「ペット相談可」は、原則として飼育を想定していないものの、空室期間が長期化しているなどの理由から「条件次第で交渉のテーブルに乗せる」という貸主側の妥協策に過ぎません。そのため、交渉時には厳しい条件が上乗せされるのが通例です。
その代表例がペット可賃貸における敷金の積増しです。通常契約であれば敷金1ヶ月の物件であっても、ペットを飼育する場合は「プラス1ヶ月〜2ヶ月分」の預け入れを義務付けられます。さらに見落としてはならないのが「敷金償却特約」です。契約書に「敷金のうち1ヶ月分は退去時に無条件で償却する(返還しない)」と記載されている場合、どれだけ室内を綺麗に使っていても、その金額はクリーニング費用や消臭工事費として差し引かれます。
仲介手数料、前家賃、保証委託料、火災保険料に加えて、この敷金積増しや抗菌コーティング代、消臭施工費が加わるため、ペット可賃貸の初期費用まとめとしては「通常物件の約1.5倍から1.8倍(家賃の5〜7ヶ月分)」を見積もっておく必要があります。