完全房室ブロックで突然死?失神の正体と最新ペースメーカー治療の真実

完全房室ブロックで突然死?失神の正体と最新ペースメーカー治療の真実

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インターネット上には、ペースメーカー治療に関して「植込みをすると寿命が短くなる」「機械に頼ると心臓が弱る」といった根拠のない誤解が散見されます。しかし、客観的な医学データが示す事実は正反対です。

完全房室ブロックの予後と余命について、有症候性の完全房室ブロックを未治療のまま放置した場合、1年生存率は約50%、数年以内の死亡率は極めて高い水準を示します。死因の大半はアダムス・ストークス発作に伴う突然死や、高度の徐脈が引き起こすうっ血性心不全です。ところが、適切なタイミングでペースメーカーを植え込んだ患者の生存曲線は、同年代の健常者とほぼ同等まで回復することが臨床統計で立証されています。

見落とされがちな盲点として挙げられるのが、「右室心尖部ペーシングによる非同期性心不全」のリスクです。従来のペースメーカーは右心室の先端(心尖部)を電気刺激するため、心室本来の均一な収縮リズムとは異なる不自然な動きが生じ、長期間にわたって100%ペーシングに依存することで左心室のポンプ機能が低下するケースがありました。

しかし近年の不整脈診療では、心臓本来の刺激伝導路そのものを刺激する「ヒス束ペーシング」や「左脚領域ペーシング(CSP: Conduction System Pacing)」といった生理的心臓ペーシング手法が急速に普及しています。これにより、ペーシング誘発性の心筋症や心不全発症のリスクは劇的に抑え込めるようになっています。

木村 陽翔
著者

木村 陽翔

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。