現場の公務員たちが直面しているのは、単なる記念撮影やメモ目的の撮影ではありません。窓口カウンター越しに、威圧的な言葉とともにスマホのカメラレンズを鼻先に突きつけられるような異常なシチュエーションです。
首都圏のある中核市で福祉窓口を担当する職員は、弁護士同席のヒアリングにおいて次のように苦しい胸の内を吐露しています。
「制度上の理由で申請が通らないと伝えた瞬間、相手が激高してスマートフォンを取り出し、『おい、こいつの顔をよく見ろ! 税金泥棒をネットで晒してやるからな!』と大声で叫びながら至近距離で録画を始めました。恐怖で声が震え、胸が締め付けられる思いでした。動画が実際にSNSにアップされ、数千回リポストされているのを発見した夜は一睡もできませんでした」
こうした事態を受け、自治体現場では職員のメンタルヘルス不全や離職が相次ぎました。弁護士ドットコム等の法律相談窓口にも、自治体職員からの「勤務中の無断撮影を法的に差し止められないか」という相談が殺到しています。これまでは「住民サービスだから」と我慢を強いられてきた職員たちですが、2026年現在は自治体組織として「職員の安全確保」を最優先事項とする方針転換が全国的に定着しています。