実際に自宅でセーフス等の機器を使用した患者の手記やコミュニティでの声、整形外科外来の現場観察から見えてくるのは、「治療へのアドヒアランス(指示通りの治療継続)」の難しさです。
SNSや知恵袋等のコミュニティで多く見られる肯定的な意見としては、「部活動の最後の大会に間に合った」「仕事の復帰が予定より1カ月早まり、固定を外すリハビリに早く入れた」という、明確なタイムリミットを抱えていた層からの高い支持です。特に血流が乏しく難治化しやすい部位である足の第5中足骨骨折(Jones骨折)や手の舟状骨骨折、脛骨(すね)の骨折を経験した患者からは、「再手術を免れた」「偽関節になりかけていた骨がくっついた」という安堵の体験談が目立ちます。
一方で、ネガティブな体験談として頻出するのが「感覚のなさによる疑心暗鬼」と「ジェルの管理問題」です。
「スイッチを入れても音もしなければ温かくもならない。本当に動いているのか分からず、毎日20分間機械を押さえつけているのが馬鹿らしくなって途中でやめてしまった」「朝の忙しい時間帯に20分の照射時間を確保できず、夜は疲れて寝てしまい、週に2〜3回しか当てられなかった」という声は少なくありません。超音波骨折治療器は体感が何もないため、「治療を受けている実感」が湧きにくく、患者が自己判断で照射をサボってしまうという心理的落とし穴があります。臨床統計上も、照射率が80%を下回ると治癒促進効果は著しく減退することが示されており、毎日の継続性を維持できるかどうかが治療成否の境界線となっています。