SNSやネット掲示板の相談スレッドを観察すると、「カロナールを飲んで30分後にロキソニンを重ね飲みした」という危険な体験談が日常的に書き込まれています。その生々しい投稿の中には、「強烈な胃痛で脂汗が止まらなくなった」「熱が一気に35度台まで急降下し、意識が朦朧として救急搬送された」といった切迫したトラブル報告が少なからず存在します。
高度急性期病院の救急外来を取材する医療関係者は、次のように現場の実態を語ります。「解熱鎮痛薬の重複服用によって搬送されてくる患者さんの多くは、薬の危険性を甘く見ています。アセトアミノフェンで肝臓に代謝負荷がかかっている状態で、さらに胃粘膜保護機能を削ぐロキソプロフェンを重ねれば、急性胃潰瘍による吐血や、過度の血管拡張による血圧低下を起こすのは当然の生理反応です」。
がん性疼痛の緩和ケアや整形外科の手術後など、厳格な医療管理下においてカロナールとロキソニンを計画的に「併用」する併用療法(マルチモーダル鎮痛)は存在します。しかしそれは、医師が肝機能・腎機能検査の数値を精密に把握し、胃粘膜保護薬を同時処方した上で成立する高度な医療処置です。自宅療養中の一般ユーザーが、単に「効かないから」という理由で重複服用することは、自ら急性薬物有害反応を招きに行く極めて危険な行為と言わざるを得ません。