「先月ちょうど良いと思って買ったトレーナーの袖が、もう手首より上に来ている」「頭が引っかかって脱ぐときに子どもが大泣きする」――。こうしたトラブルが頻発する最大の背景には、親側の認知バイアスとアパレル規格の盲点が存在します。取材から見えてきた決定的な3つの要因を検証します。
第一の要因は、「サイズ表記=現在の身長」と誤認してしまう点です。アパレルの規格上、例えば「80サイズ」は「身長75cm〜85cm向け」とされていますが、実態としては「身長80cm前後でぴったりになるように作られた限界枠」であることが珍しくありません。すでに身長が79cmに達している子どもに80サイズを購入すれば、わずか1〜2ヶ月で身長が伸び、腕を上げただけでお腹が見えてしまうのは物理的な必然です。
第二の要因は、「季節の先買い」による月齢計算の狂いです。シーズン終わりのセールで「来年の冬用に」と1年後の月齢を予測してアウターやニットを購入する家庭は多いはずです。しかし、子どもの発育は直線的ではありません。数ヶ月間ほとんど伸びなかった身長が、急激なスパート期を迎えて一気に3cm伸びるといった現象が頻繁に起こります。結果として、季節が巡ってきた頃にはすでにサイズアウトしているか、あるいはブカブカすぎて保温性を発揮できないという事態に陥ります。
第三の要因として見逃せないのが、「おむつの有無」と「体脂肪の減少」です。2歳から3歳にかけて訪れるトイトレ期(おむつ外れ)を迎えると、お尻まわりのボリュームが一気に減少し、同じ90サイズや100サイズのズボンでもずり落ちてしまう現象が起きます。一方で上半身は骨格がしっかりしてくるため、上下同じサイズで揃えるとバランスが崩れてしまうのです。