劇中で描かれる徳川吉宗は、江戸幕府中興の祖と称される第8代将軍・徳川吉宗その人です。紀州徳川家(紀州藩主)の出身でありながら、相次ぐ将軍候補の急逝という数奇な運命を経て宗家を継ぎ、幕政の立て直しを図る「享保の改革」を断行しました。
質素倹約を奨励し、新田開発や目安箱の設置を進めて「米将軍」とも呼ばれた吉宗ですが、実は歴史上の人物としての実像も劇中のイメージに極めて近い特徴を備えていました。
当時の日本人男性の平均身長が約155cm前後だった時代に、吉宗の身長は約180cmを超える大柄な体格であったと記録されています。さらに剣術や馬術、水泳などの武芸全般に秀でており、鷹狩りを名目に江戸郊外を巡視して庶民の生活実態を直接見聞したという記録も残されています。松平健が見せた豪快な立ち居振る舞いや抜群の乗馬技術は、まさに実在の吉宗が持っていたダイナミズムを完璧に体現したものといえます。