若村麻由美の女優人生は、名優・仲代達矢が主宰する俳優養成所「無名塾」への入塾から幕を開けました。難関として知られる無名塾のオーディションを突破した彼女は、第10期生として厳格な演劇教育を受け、徹底的な発声法や身体表現を叩き込まれます。
その才能が一気に全国区へと花開いたのが、1987年に放送されたNHK連続テレビ小説『はっさい先生』でした。応募者数千人の中からヒロイン・早乙女翠役に大抜擢され、持ち前の明るさと清潔感あふれる美貌で一躍国民的人気女優の座を獲得します。
当時の関係者や演劇記者の回想によると、「ただ美しいだけでなく、舞台仕込みの通る声と堂々たる立ち姿が新人離れしていた」と高く評価されていました。民放各局のアイドル路線とは一線を画し、演劇の基礎に裏打ちされた確かな表現力を持っていたことが、デビュー当時から際立つ存在感を放っていた最大の理由です。