キー坊の初登場は、小学館の学年別学習雑誌および『てんとう虫コミックス』第33巻に収録された短編原作『さらばキー坊』である。作者である藤子・F・不二雄は、日常の中に突如として非日常の不可思議が紛れ込むSFファンタジーの巨匠として知られるが、本作ではその真骨頂が遺憾なく発揮された。
物語の終盤、地球の森林破壊と環境汚染に失望した「緑の星」の宇宙人たちが、地球上のすべての植物を連れ去ろうと画策する。そこで重要な橋渡し役となったのがキー坊だった。のび太の手によって人間らしい心と知恵を育んだキー坊は、最終的に地球の植物たちの代表として、そして宇宙と地球を繋ぐ架け橋として「緑の星」へ旅立つこととなる。この「別れ」の結末こそが、原作におけるキー坊の正体とその役割の真実であった。