『続・最後から二番目の恋』のクライマックスにおいて、視聴者が最も固唾を呑んで見守ったのは、テレビ局プロデューサーの吉野千明(小泉今日子)と鎌倉市役所職員の長倉和平(中井貴一)が「恋人になるのか、それとも友人のままなのか」という着地点でした。
物語の終盤、千明が副部長へ昇進し新たな仕事の重圧に立ち向かう一方、和平は市役所の秘書課長として定年後の人生を意識し始めます。互いに好意や惹かれ合う感情を抱きながらも、若い頃のような情熱的な恋愛関係に踏み切るわけでもなく、かといって単なる隣人や飲み友達で終わるわけでもない——。最終回で二人が縁側で缶ビールを片手に語り合うシーンは、本作を象徴する屈指の名場面です。
千明が「私たち、この先どうなるんですかね」と問いかけた際、和平が返した言葉は、形式的なプロポーズや愛の告白ではありませんでした。二人が導き出した結論は、「恋愛でも友情でも括れない、お互いをまるごと受け止め合える特別な共生関係」でした。ラストシーンで見せた海辺の散歩と何気ない口喧嘩の続きは、人生の折り返し地点を過ぎた大人たちが手に入れた、最も自由で心地よい関係の完成形を示しています。