相撲史において、最も強烈なインパクトを世に残した顔といえば「ウルフ」の異名をとった第58代横綱・千代の富士だ。余分な脂をそぎ落とした彫刻のような筋肉美、そして狙った獲物を逃さない猛獣のような眼光。彼の顔立ちとその表情は、まさに大相撲のアイコンとして語り継がれている。
千代の富士が見せた精悍な表情は、並み居る巨漢たちをなぎ倒すための血の滲むような鍛錬と、絶対的な自信から生まれたものだ。どれほど時代が移り変わろうとも、命がけで土俵に立つ男の顔には理屈を超えた神聖な美が宿ることを、彼はその姿で証明してみせた。