ディズニー版の小人たちは陽気でユーモラスな鉱夫として描かれていますが、1812年に出版されたグリム童話の初版を紐解くと、その関係性や設定には大きな隔たりがあります。
原作における小人たちには個別の名前が一切存在しませんでした。彼らはあくまで「山の鉱山で金や鉱石を掘り出す7人の小人」という集団として描かれています。
また、白雪姫との関係も極めて現実的な「契約」に基づいたものでした。原作の小人たちは、白雪姫に対して「料理、洗濯、裁縫、掃除をして家禽を綺麗に保つなら、ここに住まわせて食事も提供しよう」という条件を提示します。さらに、魔女が白雪姫を殺害しようとする場面も、アニメ版の毒リンゴだけでなく、「毒の櫛」や「締め付けのきつい胴着」を用いた計3回の暗殺未遂が存在するなど、遥かに陰惨なサスペンスでした。
ウォルト・ディズニーは、この無機質だった7人の労働者に明確な名前と生き生きとしたパーソナリティを与え、ファンタジーとコメディの要素を融合させることで、残酷な民話を不朽のエンターテインメントへと昇華させたのです。