羽生がこれまで積み上げてきたタイトル数は「99」。あと1つで大台の100期に達する。この数字が持つ重みは、他者には計り知れない。過去数回、あと一歩のところで逃してきたこの偉業に対し、本人はメディアの前で淡々と語るが、その胸中には燃え盛る闘志があるはずだ。
プレッシャーは想像を絶する。しかし、羽生はかつて「プレッシャーを楽しめるようになって一人前」と語っていた。55歳になった今、その言葉の真意が試される。周囲の雑音をシャットアウトし、ただ目の前の一手に集中する彼の姿に、私たちはプロフェッショナルの真髄を見る。