一時は参議院選挙で議席を獲得し政党要件を満たした「NHKから国民を守る党(NHK党)」ですが、その後の道のりは混迷を極めました。
党名変更を繰り返す中で起きた大津綾香氏との代表権争いや党資金を巡る内紛、政党交付金の差押え、関連団体の破産手続きなど、組織としてのガバナンス崩壊が露呈。立花氏自身はその後もSNSや地方首長選・補欠選挙を活用した発信を継続していますが、当初掲げた「受信料問題の根本解決」という政策的推進力は著しく減退しています。
では、看板政策であった「スクランブル放送の実現可能性」は今後あるのでしょうか。
総務省の検討会や放送業界の最新動向を分析する限り、地上波テレビにおけるスクランブル化の実現可能性は極めて低いと言わざるを得ません。総務省およびNHKは、公共放送の根幹を「大規模災害時における情報インフラ」「教育・福祉番組の全国一律提供」と位置付けており、暗号化によって非契約者を排除する仕組みは公共放送の趣旨に反するという立場を崩していません。
代わりに進められているのが「NHK改革」とインターネット配信の必須業務化です。テレビを持たない世帯が増加する中、放送と配信を同等に扱う制度改定が行われましたが、懸念されていた「スマートフォンを持っているだけで全員から受信料を取る」という一律課金は見送られ、明示的にアプリ等で利用登録を行ったユーザーのみを受信料の対象とする運用に落ち着いています。