ネット上のレシピ記事やSNS投稿では、時として誤った前提や調理科学に反するテクニックが拡散されています。代表的な2つの誤解を正し、さらに美味しく仕上げるためのアプローチを解説します。
誤解1:「ナスのアク抜きのために水に長時間さらすべきである」
新鮮なナスであれば、近年の品種改良により苦味成分(アルカロイド等)は極めて微量です。水にさらすと切り口からポリフェノールなどの抗酸化物質が溶け出すだけでなく、細胞壁が水を含んで加熱時にベチャつく原因になります。レンジ焼きナスにする場合、切らずに丸ごと調理するためアク抜きは一切不要です。
誤解2:「焼きナスは必ず皮をすべて剥かなければならない」
「皮を剥くのが面倒」「皮の栄養も余さず摂りたい」という場合、皮ごと食べるレンジ焼きナスも非常に優れた選択肢です。ナスの皮に含まれる紫色の色素「ナスニン」は強力な抗酸化作用を持つアントシアニン系ポリフェノールの一種です。皮ごと仕上げる場合は、ナスの表面全体に深さ1〜2mmの格子状(または斜め)の細かい隠し包丁を細かく入れ、油をしっかり馴染ませてからレンジ加熱します。隠し包丁によって皮の筋っぽさが完全に断ち切られ、皮つきのまま心地よいトロトロ感を堪能できます。