そもそも、なぜ調理中に激しい油はねが起きるのでしょうか。調理科学の観点から見ると、原因は「食材に含まれる水分と加熱された油(160℃〜200℃)の衝突による微小爆発(突沸)」にあります。
フライパンの底に落ちた水分が一瞬で水蒸気に変わり、体積が約1,700倍に急膨張する際、周囲の油を巻き込んで四方八方に吹き飛ばします。特に水分量の多い鶏肉(唐揚げ)や冷凍餃子、水分の抜けにくい生野菜の炒め物では、毎秒数百粒もの油滴が秒速数メートルの速度で周囲へ飛散しています。
ここで重要なのが、フライパンのフタを完全に密閉してしまうと、内部にこもった水蒸気がフタの裏で結露し、再び油の中に水滴として落下してさらなる激しい油はねを引き起こす点です。また、衣が水蒸気を吸ってシナシナになり、揚げ物本来のカリッとした食感が失われてしまいます。
フライパン 油はね防止においてメッシュ状のオイルスクリーンが重宝されるのは、「水蒸気だけを上空へ逃がしつつ、質量の重い油滴だけを金属メッシュで捕捉する」という流体力学的・物理的な理にかなった構造を持っているからです。